賢いリフォーム計画に欠かせない!漏水の一次診断と工務店への相談のタイミング
リフォーム前には、見えない箇所の漏水リスクを抑えることが、賢い住まいづくりの第一歩です。古い配管や劣化した部材が潜む隠れた問題を、しっかり確認した上で、タイミングよく専門家に相談することで、後悔のないリフォームが実現します。ここでは、その流れを分かりやすく紹介します。
目次
一次診断って何?なぜやる必要がある?
リフォームを検討する時、多くの人が「どこを直そうか」「どんなデザインにしようか」と考えがちです。しかし実際には、見えない部分に潜む不具合がリフォーム計画全体を左右することがあります。その代表例が「漏水」です。そして、このリスクを早めに把握するために行うのが「一次診断」なのです。
一次診断とは、家の現状を総合的に確認する予備調査であり、建物にどんな不具合が潜んでいるかを洗い出す工程です。病院で言えば「健康診断」のようなもの。見た目には分からない部分まで調べることで、大きな修繕が必要か、部分的な補修で済むのかを判断できます。これを省略してしまうと、リフォーム工事の途中で予期せぬトラブルが見つかり、工期や費用が大幅に膨らむ危険があるのです。
一次診断の具体的な目的
- 現状把握:壁・床・天井など表面だけでなく、床下や配管の劣化状況まで調べることで、今の家の「健康状態」を把握する。
- リフォーム計画の精度向上:事前に問題点を見つけることで、見積もりの精度が上がり、後から追加費用が発生しにくくなる。
- トラブル予防:工事中に漏水や構造の不具合が見つかると、工期が延びたり設計変更が必要になったりする。一次診断をすることで未然に防げる。
なぜ漏水リスクに注目すべきか
建物における水の被害は、シロアリ被害やカビの発生など、二次的な問題につながりやすいのが特徴です。小さな水のしみ込みでも、時間の経過とともに柱や土台の強度を低下させ、家全体の耐久性を落とします。つまり「漏水の一次診断」は、単なる水漏れの確認にとどまらず、家を長持ちさせるための基本チェックなのです。
どんな人が受けるべきか
一次診断は「古い家だけが必要」と思われがちですが、実際には築10年を過ぎたあたりから受ける価値があります。まだ目立った不具合がなくても、配管や防水シートの劣化は少しずつ進んでいるものです。特に以下のような人は早めに検討すると良いでしょう。
- 築10年以上の家に住んでいて、これから水回りのリフォームを考えている人
- 中古住宅を購入してリフォーム予定の人
- 過去に水漏れや雨漏りを経験したことがある人
- 外壁や天井にシミ・カビ臭を感じている人
診断結果がもたらす安心感
一次診断の結果は、工務店との打ち合わせや見積もりのベースになります。事前に問題点を把握していれば、「後から追加費用を請求されるのでは?」という不安を減らすことができ、安心してリフォームを進められます。また、必要な工事と不要な工事の線引きも明確になり、無駄のない計画を立てられるのです。
漏水リスクを見逃したらどうなる?

- リフォーム後、配管や壁内の劣化が原因で漏水が発覚しても、施工業者に責任を問えない場合がある。
- 特に築30年以上の住宅では、古い給湯管などが劣化してピンホールができ、水漏れするリスクが高い。
- 漏水の被害範囲を誤認すると、隣接する壁や床下まで影響が広がる可能性があるため、原因だけでなく「被害の広がり」まで調べる必要がある。
実際に起こりやすいトラブル例
例えば、キッチンの床下で少しずつ水漏れが続いていたケースでは、表面に症状が出る頃には土台が腐食していたという事例があります。早期発見の重要性が分かります。
具体的な診断内容:何を見る?どう調べる?
ホームインスペクション(住宅診断)では、以下のようなポイントをチェックします。
診断箇所 | チェック内容 |
---|---|
外壁・天井 | ひび割れ、シーリングの劣化、浮き、欠損など |
床下・基礎 | 腐朽、含水率、亀裂、束のずれなど |
設備配管 | 給排水の漏水、水道メーター記録、トイレ・給湯器などの漏れチェック |
床下調査の重要性
床下は湿気がこもりやすく、配管が集中している場所です。漏水だけでなく、白アリやカビの原因にもなるため、必ず重点的に調査されます。
機器を使った診断
目視だけでは分からない部分には、含水率計や赤外線カメラが使われることもあります。特に外壁や屋根のひび割れは、計測器を併用することで精度が高まります。
いつ相談すればよい?工務店へのタイミングとは

漏水の一次診断を受けておくと、リフォーム業者との相談にも強みができます。特にこんな時期が相談の好機です。
- 築10〜15年あたり:配管や設備の劣化が始まり、目立った不具合がなくても早めに診てもらうのが賢明。
- 築15〜20年:交換や修理の判断が必要な段階に差し掛かる時期。
- 築20〜30年:間取り変更や大規模改修を検討するなら、一次診断を踏まえて施工プランを練ることが重要。
- リフォーム中に漏水症状が出た時:天井クロスのシミ、水滴、カビ臭などが見られたら、早めに専門業者に相談するべき。
相談のベストタイミング
「小さな異変に気づいた時点」で相談するのがベストです。軽度な症状であれば費用も抑えられますが、放置すると修繕範囲が拡大してコストが跳ね上がります。
保証との関係
新築から10年未満であれば、ハウスメーカーの保証が活きるケースもあります。契約書や保証書を確認してから相談すれば、費用の一部をカバーできる場合もあります。
まとめ

リフォーム前は、まず一次診断で家の現状を客観的に把握することが肝心です。それが後々の費用負担やトラブル防止につながります。建築業者の判断だけに頼らず、第三者が現状を見極めることも検討しましょう。
築年数に応じた相談タイミングを意識して、漏水リスクを抑えた計画を立てるのが賢い選択です。