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築年数別に見る!住宅で起こりやすい漏水と建築構造の関係を解説

住宅の築年数によって、漏水の原因やリスクは大きく異なります。見えない場所でじわじわと進行する水漏れは、気づいたときには深刻な被害をもたらすことも。

この記事では、築年数ごとの漏水リスクと建築構造との関係をわかりやすく解説し、リフォームや漏水工事を検討する方に役立つ情報をお届けします。

築年数ごとに見える漏水の主な原因

住宅は経年とともに劣化し、漏水のリスクが高まります。以下は築年数別の傾向と主な原因をまとめたものです。

築年数主な漏水原因構造的背景
築0~3年施工不良(配管の接合不良・防水不備)新築時の施工ミスや確認不足
築4~10年排水勾配のずれ・シーリング材の劣化使用材料の経年変化によるトラブル
築11~20年給排水管のジョイント部分からの漏れ微細な建物の動きによる接続部の緩み
築21~30年金属管の腐食、配管内部のサビ素材自体の劣化と水圧によるひび割れ
築31年以上床下・天井裏配管の亀裂、全体劣化建物・設備全体の老朽化による影響

構造別に見た漏水リスクの違い

住宅の構造形式によっても、漏水の発生しやすい箇所やリスクには違いがあります。

木造住宅

  • 床下や壁内の漏水が起きると、木材の腐食やシロアリ被害につながる
  • 通気性が高い分、水分が入り込むと乾きにくい
  • 雨漏りに弱く、屋根・外壁の防水処理が重要

鉄筋コンクリート(RC)造

  • コンクリート内部の埋設配管からの漏水が発見しづらい
  • クラック(ひび割れ)から水が浸入するケースがある
  • 構造体自体は水に強いが、漏水箇所の特定が困難

築年数が進むごとに増えるリスク

築20年を超えると、漏水リスクは格段に上がります。これは単なる劣化だけでなく、当時の配管素材や工法の問題も影響しています。

  • 昭和時代に建てられた住宅は鉄管が多く、腐食しやすい
  • 漏水発生後の修繕履歴がないと、同じ配管内で繰り返すことが多い
  • 目に見えない床下・天井裏の劣化が進行しやすい

漏水のサインを見逃さない!こんな症状に注意

漏水は、目に見える形で現れることもありますが、多くは「違和感」として現れます。初期段階で気づくことができれば、被害を最小限に抑えることができます。以下に、実際に起こりやすい具体的な兆候を詳しく紹介します。

1. 壁紙や天井の変色・剥がれ

室内のクロスが浮いてきたり、シミが広がっている場合、水分が内部にしみ込んでいる可能性があります。特に天井の角や壁の下部に起きる変色は、雨漏りや配管のピンホール漏れが原因であることが多いです。

2. 床材の変形・ふかふかする感触

フローリングの一部がふわふわと柔らかく沈む場合は、床下に水が入り込んで木材が膨張・腐食している可能性があります。放置するとシロアリ被害や構造材の強度低下にもつながります。

3. カビの発生や異臭

部屋の隅や押し入れなど、通気の悪い場所にカビが発生していたり、湿気を感じる場合、どこかで漏水が進行している恐れがあります。水分が停滞するとカビが繁殖しやすくなり、健康被害にもつながります。

4. 水道料金の急激な増加

日常生活で使用量が変わらないのに、水道料金が突然高くなった場合は、見えない箇所(床下・壁内・庭先)で水が流れ続けている可能性があります。集合住宅では共用部の漏水でも影響が出ることがあるため注意が必要です。

5. 水が流れる音やポタポタ音

家の中が静かな時間帯に「シュー」「ポタポタ」といった水の音が聞こえる場合、配管からの漏水が疑われます。給水系統では、常に圧がかかっているため、漏れていると絶え間なく音が続くことがあります。

6. 家具の裏やクローゼットが湿っぽい

壁に接している家具の裏側や、押し入れの奥がジメジメしている場合、外壁からの雨水侵入や配管のにじみ出しが原因となっている可能性があります。触るとひんやり・湿っている場合は特に注意が必要です。

7. 外壁や基礎のひび割れからの染み出し

建物の外側に目を向けると、コンクリートや外壁に濡れたような筋やカビ、苔が生えていることがあります。これは内部の水分が表に染み出してきている証拠かもしれません。とくに基礎部分は見落とされがちですが、重要なチェックポイントです。

8. 雨の日にだけ現れる不調

晴れている日は問題がないのに、雨が降ると室内にシミや異臭が発生する場合、屋根や外壁の防水層の劣化による雨漏りの可能性が高いです。時間が経つと、漏水が建物内部まで達し、配線や断熱材に悪影響を与えるリスクもあります。

これらの兆候は「気のせいかな?」と思いがちですが、小さな変化が大きなトラブルの前触れであることも多いです。早期に対処することで、建物への被害や修繕費用を大きく抑えることができます。

「あれ?」と感じたら、まずは専門業者に相談することをおすすめします。

漏水対策としてのリフォームや更新工事

築20年以上経っている住宅では、予防的に以下の工事を検討するのがおすすめです。

  • 給水・排水管の交換(特に床下・壁内)
  • 屋根やベランダの防水シートの更新
  • 外壁シーリングの打ち直し
  • 点検口の設置による保守性の向上

また、火災保険で漏水被害がカバーされるケースもあるため、加入保険の内容を確認しておくと安心です。

まとめ

住宅の漏水は、築年数や建築構造によって原因やリスクの傾向が異なります。特に築20年を過ぎると、見えない部分の劣化や施工当時の素材に起因したトラブルが増えてきます。日頃から兆候に気づくこと、そして計画的なメンテナンスや設備の更新を行うことが、被害を未然に防ぐカギとなります。

FAQ

Q1. 築浅でも漏水することはありますか?
はい。施工不良などにより、築3年以内でも漏水が発生するケースはあります。

Q2. 漏水の兆候を見逃さないためのポイントは?
壁や天井のシミ、水道料金の急増、カビ臭などがあれば注意が必要です。

Q3. 古い配管はすぐに交換すべき?
築20年以上経っている場合、部分補修よりも配管の全交換を検討した方が安心です。

Q4. 火災保険で漏水は補償されますか?
契約内容によりますが、「水濡れ補償」がある場合は対象になることがあります。

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