リフォーム業者が教える!水回りリフォームと同時に行うべき漏水チェックポイント
水回りリフォームは見た目だけでなく、配管の状態を改善する絶好のチャンスです。でも「ついでにやっておけばよかった」と後悔しないように、漏水の兆候・チェックポイントをしっかり押さえましょう。本記事では、リフォーム前・中・後に確認すべき漏水項目をプロ視点で詳しく解説します。
目次
1. リフォーム前に「今後漏れる可能性」を事前チェック
水回りリフォームを検討する際に見落とされがちなのが、「既存の配管がどのくらい劣化しているか」という点です。見た目の美しさや機能性の向上に目が向きがちですが、配管の老朽化を見逃すと、せっかくのリフォーム後に水漏れが発生し、再工事の手間や費用が発生してしまうケースも少なくありません。
1-1. 築年数と配管材の種類によるリスクの違い
まず注目すべきは築年数と配管の材質です。築20年を超える住宅では、鉄管や銅管が使われていることが多く、サビや腐食による「ピンホール漏水(目に見えない小さな穴からの水漏れ)」が起きやすくなっています。とくに以下のような配管は要注意です:
- 鉄管:内部が錆びて閉塞や破損の可能性あり
- 銅管:経年劣化でピンホールが生じやすい
- ポリブテン管(古い給水管材):柔軟性がある反面、紫外線や熱に弱く劣化しやすい
最近では、樹脂系の架橋ポリエチレン管やポリブテン管(新規格)が主流で、耐久性や腐食に強く、リフォーム時に交換することで長期的な安心につながります。
1-2. 現地調査時に確認しておきたいポイント
リフォーム前には、施工業者に配管の現地調査を依頼し、以下のポイントをチェックしてもらいましょう:
- 床下や壁内に設置された給水・排水管の腐食やひび割れ
- 水圧が低くなっていないか(詰まりの可能性)
- 排水時の音や流れが悪くないか
- 湿気・カビ・異臭がする場所がないか
特に床や壁の一部に湿り気や黒ずみがある場合、それは過去に漏水が発生したか、現在も進行しているサインかもしれません。早期に見つけることで、大規模な補修を避けることができます。
1-3. 点検口がない場合はどうする?
マンションや戸建ての中には、床下点検口や配管の確認口が設けられていない物件もあります。その場合でも、工事業者は内視鏡やカメラ付きファイバースコープを使って簡易的に確認できることがあります。調査時に「配管の状態も見てほしい」と一言添えることで、事前に漏水リスクを察知できることがあるため、ぜひ相談してみましょう。
1-4. 早期交換でトータルコストを下げる
たとえ現在漏水が起きていなくても、築年数が古く、配管が劣化している場合は「先に交換」しておいた方がトータルでは安く済むことが多いです。壁や床を開けるリフォームと同時に配管交換を行えば、別工事として手配するよりも作業効率が良く、解体や仕上げの手間も減るため、総工費を15〜20%程度削減できる場合もあります。
このように、リフォーム前に「どの配管が今後危険なのか」をプロと一緒に把握することが、後悔しない住まいづくりの第一歩になります。
2. リフォーム中は「接続部・止水栓・パッキン」を丁寧に点検

リフォーム中は配管露出の好機。蛇口周り、止水栓、S字トラップ、排水ホースの接続部などを目視・手触りで検査し、緩みやひび割れがないかを確認しましょう。特にパッキンの劣化やコーキング不良は漏水の原因になるため、プロによる緩みチェックが不可欠です。
3. リフォーム後は「水道メーターのパイロット確認」で漏れの有無チェック
工事完了後、水をすべて止めた状態で水道メーター内のパイロット(小さな羽根)が回っていないかチェックしましょう。回り続けている場合はどこかに漏水が発生しています。これを確認したら、即、担当業者に連絡して調査を依頼します。
4. 部位別チェックポイントとセルフ点検方法
部位 | チェック内容 | セルフ点検方法 |
---|---|---|
キッチンシンク下 | 排水トラップや接続ホースの緩み・ひび割れ | パッキン・コーキングに水滴なし、接続具にゆるみがないかチェック |
浴室・シャワー | 蛇口の根元、シャワーホース接続部 | 水を流しながら目視・タオルで拭いて漏れ確認 |
トイレ | 給水管・便器接続部のナット・パッキン | タンク内外の水位・音をチェック、タンク開けてパッキン確認も可 |
洗面・洗濯 | S字トラップ周辺、蛇口根元 | 下部にカビ・湿気がないか目視、ナット緩み確認 |
上記を一通りセルフチェックし、異常があれば施工業者に対して早めの対処を依頼しましょう。
5. 「同時施工」のメリットと漏水未然防止のポイント
- コスト削減:床・壁解体を1回で済ませられ、工事総額が約15~20%カットできます。
- 工期短縮:複数工程を一括で進行でき、生活への負担も軽減されます。
- 長期メンテナンスの観点:サビや汚れのない新配管に更新することで、ストレスフリーな水利用が可能になります。
6. メンテナンスと予防策:リフォーム後も定期点検を続ける

リフォーム後も油断は禁物。年2回は水道メーターのパイロット確認を行い、蛇口や排水口のクリーニングを習慣にしましょう。特に梅雨前後や冬場は湿気による劣化リスクが高まるため、注意が必要です。
まとめ
水回りリフォームを機に漏水対策をしっかり行うことで、見た目だけでなく耐久性も兼ね備えた住まいを手にできます。事前調査・中間点検・完了後チェック・定期メンテの4ステップを守れば、無駄なトラブルを未然に防げ、長く快適な暮らしが続きます。
FAQ
Q. リフォームだけで配管交換しなくても大丈夫?
A. 築20年以上の場合、古い配管のピンホールやサビ詰まりが起こるリスクが高いため、同時交換を推奨します。
Q. 工事後すぐに水漏れしたらどうする?
A. 水を止めたうえで施工業者へ連絡し、パイロット回転の状況など証拠にもとづく調査依頼をしましょう。
Q. 自分でパッキン交換は可能?
A. 簡単な蛇口のパッキン交換は可能ですが、配管全体の接続部点検はプロに任せるのが安全です。