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【場所別】キッチンの床から水漏れ!シンク下・食洗機・排水管の原因特定チェックリスト

ふとキッチンの床に目をやると、水たまりができていたり、床材が湿っていたり…。そんな場面に遭遇したら、誰でも驚き、焦ってしまうものです。「どこから漏れているの?」「床が腐ってしまったらどうしよう」と不安になりますよね。

キッチンの床からの水漏れは、放置すると床材の腐食やカビの発生、さらには階下への漏水といった深刻なトラブルに発展する可能性があります。しかし、慌てる必要はありません。まずは落ち着いて応急処置を行い、原因を特定することが大切です。この記事では、プロの視点から、キッチンの床の水漏れ原因を場所別に特定するチェックリストと、ご自身でできる対処法、業者に依頼すべきサインまで詳しく解説します。

キッチンの床が水浸し!まず最初に行うべき2つの応急処置

水漏れを発見したら、被害の拡大を最小限に抑えるために、すぐに行うべきことが2つあります。パニックにならず、冷静に対処しましょう。

止水栓を閉めて水の供給を止める

最初に行うべきことは、水の供給を止めることです。キッチンの場合、シンク下のキャビネット(収納)を開けると、給水管(水)と給湯管(お湯)につながる「止水栓」があるはずです。

多くの場合、ハンドル式(手で回せる)か、マイナスドライバーで回すタイプになっています。これを時計回りに回して閉めることで、蛇口や食洗機への水の供給が止まります。

止水栓が見つからない、または固くて回らない場合は、家全体の「元栓」を閉める必要があります。元栓は、戸建ての場合は屋外のメーターボックス内、マンションの場合は玄関横のパイプスペース内にあることが一般的です。

被害拡大を防ぐ(水を拭き取る・階下への確認)

水の供給を止めたら、すぐに床に溜まった水を拭き取りましょう。雑巾やバスタオル、新聞紙など、吸水性の高いものを使って、できるだけ早く水分を除去します。

シンク下のキャビネット内が濡れている場合は、収納しているものをすべて取り出し、内部もしっかり拭き上げてください。水分が残っていると、カビや腐食の原因となります。

また、マンションやアパートにお住まいの場合は、階下の部屋へ水漏れが及んでいる可能性があります。水漏れの量が多い場合は、応急処置と並行して、できるだけ早く管理会社や大家さん、階下の住民へ連絡し、状況を確認してもらうことが重要です。

水漏れはどこから?場所別・原因特定チェックリスト

応急処置が終わったら、水漏れの原因を特定します。水が漏れている場所や状況によって、原因はさまざまです。懐中電灯などを使って、以下のポイントを順番にチェックしていきましょう。

【チェック①】シンク下(キャビネット内部)

キッチンの水漏れで最も多いのがシンク下です。キャビネットの扉を開け、以下の箇所が濡れていないか、水が滴った跡がないかを確認します。

  • 給水管・給湯管の接続部: 蛇口につながる管と、壁や床から出ている管の接続部分です。ナットが緩んでいたり、内部のパッキンが劣化したりすると水漏れします。
  • 止水栓本体: 先ほど閉めた止水栓自体から水が滲み出ているケースもあります。
  • 排水トラップ・排水ホース: シンクの排水口の真下にある「排水トラップ(S字やP字に曲がった管)」や、その先につながる「排水ホース」周辺です。接続部のナットの緩み、パッキンの劣化、ホース自体の亀裂や穴あきが原因になります。
  • シンクの裏側と天板の隙間: シンクとキッチンカウンター(天板)の隙間を埋めているコーキング(シール材)が劣化すると、洗い物などの水がその隙間から侵入し、キャビネット内部を伝って床に漏れ出すことがあります。

【チェック②】食洗機(ビルトイン・据え置き)周辺

食洗機を設置している場合、食洗機本体やその接続部分が原因である可能性も高いです。

  • 食洗機本体の下(特にビルトイン型): ビルトイン食洗機の場合、本体はシステムキッチンに組み込まれています。キッチンの床が濡れている場合、食洗機本体から水が漏れている可能性があります。これは、本体の故障や内部のパッキン劣化が考えられます。
  • 給水・排水ホースの接続部: 食洗機にも、水やお湯を供給する「給水ホース」と、汚れた水を排出する「排水ホース」が接続されています。これらのホースがシンク下の給水管や排水管に接続されている場合、その接続部が緩んだり、ホース自体が破損したりして水漏れを起こすことがあります。
  • 排水ホースの詰まり: 排水ホース内に食べカスや油汚れが詰まり、行き場を失った水が逆流して漏れ出すケースもあります。

【チェック③】シンクや食洗機から離れた床

シンク下や食洗機の周辺ではなく、そこから少し離れたキッチンの床(冷蔵庫の近くや壁際など)が濡れている場合は、目に見えない場所でのトラブルが疑われます。

  • 床下の排水管: 最も深刻なケースの一つが、床下を通っている排水管の破損や詰まりです。経年劣化による配管の腐食や亀裂、あるいは長年の汚れが蓄積して詰まり、排水が逆流して床下にあふれ出し、床材の隙間から染み出ている可能性があります。
  • 冷蔵庫の製氷機や給水タンク: まれなケースですが、冷蔵庫の自動製氷機用の給水管から水が漏れていたり、ドレンパン(受け皿)の水が溢れていたりすることもあります。

【図解】キッチンのシンク下・水漏れチェックポイント

キッチンのシンク下は、水漏れの“要注意エリア”です。構造が複雑に見えますが、チェックするポイントは決まっています。以下の図解(テーブル)を参考に、ご自宅のシンク下を確認してみてください。

チェック箇所主な原因
1. 給水管・給湯管(蛇口につながる管)接続ナットの緩み 接続部分のパッキンの劣化 止水栓本体からの水漏れ
2. 排水トラップ(シンク直下のS字/P字管)接続ナットの緩み パッキンの劣化・ズレ トラップ本体の破損
3. 排水ホース(ジャバラのホース)ホース本体の亀裂・穴あき 床下の排水管との接続部の緩み・外れ ホース内の詰まりによる逆流
4. シンクと天板の隙間コーキング(シール材)の経年劣化・剥がれ (隙間から水が入り、シンク下を伝って床に漏れる)

なぜ漏れる?水漏れの主な原因と自分でできる対処法

水漏れ箇所が特定できたら、次はその原因を探りましょう。原因によっては、ご自身での対処が可能な場合もあります。

パッキンやシールの経年劣化

原因: 止水栓や給水管、排水管の接続部分には、水の漏れを防ぐためにゴム製や樹脂製の「パッキン」が使われています。これらは消耗品であり、長期間使用すると硬化したり、ひび割れたりして弾力性を失い、水漏れを引き起こします。

対処法: 止水栓を閉めた上で、モンキーレンチなどの工具を使って接続部のナットを緩め、古いパッキンを新しいものに交換します。パッキンはホームセンターなどで数百円で購入できますが、サイズや形状が多岐にわたるため、必ず古いパッキンと同じものを用意してください。

ナットや接続部分の緩み

原因: 日常のわずかな振動(食洗機の作動、地震、物の出し入れなど)が積み重なり、配管の接続ナットが徐々に緩んでくることがあります。

対処法: 止水栓を閉める必要はありませんが、作業しやすいように水は止めておきましょう。モンキーレンチやウォーターポンププライヤーといった工具を使い、ナットを時計回りに適度に締め直します。ただし、強く締めすぎるとパッキンが潰れたり、配管が破損したりする可能性があるため、力加減には十分注意が必要です。「少しきついかな」と感じる程度で止め、水を流して漏れが止まったか確認しましょう。

ホースや配管の破損・穴あき

原因: 排水ホース(特にジャバラ状のもの)は、経年劣化で硬化し、ちょっとした衝撃で亀裂が入ることがあります。また、シンク下に包丁差しなどがある場合、誤ってホースを傷つけてしまうケースもあります。

対処法: 応急処置として防水テープを巻くこともできますが、これは一時的なものです。根本的な解決には、ホース自体の交換が必要です。排水ホースもホームセンターで購入可能ですが、サイズや規格が合わないと正しく設置できません。自信がない場合は、無理をせず業者に依頼するのが賢明です。

排水管のつまりによる逆流

原因: キッチンの排水管は、日々の料理で流れる油汚れ、洗剤カス、細かな食材カスなどが蓄積し、非常に詰まりやすい場所です。詰まりがひどくなると、水の流れが妨げられ、シンクから流した水が行き場を失って排水ホースの接続部などから逆流し、あふれ出してしまいます。

対処法: 市販のパイプクリーナー(液体タイプ)を使用してみるのが第一歩です。それでも改善しない場合は、ラバーカップ(スッポン)を使ってみる方法もありますが、キッチンの排水トラップの構造によっては効果が出にくい場合があります。重度の詰まりは、高圧洗浄機など専門的な機材が必要になるため、業者への依頼を検討しましょう。

これは危険!業者を呼ぶべき水漏れのサイン

ご自身での対処が難しい、あるいは危険な水漏れもあります。以下のようなサインが見られた場合は、すぐにプロの水道修理業者に連絡してください。

止水栓を止めても水が止まらない

止水栓や元栓を閉めたはずなのに、水が止まらない場合、止水栓自体が故障しているか、あるいは給水管・給湯管以外の場所(床下の排水管など)から継続的に水が漏れている可能性があります。これは緊急事態です。

床下(基礎)から水が染み出ている

チェックリストの③で挙げたように、シンクから離れた場所や、キッチンの床と壁の境目などから水がじわじわと染み出ている場合、床下にある排水管が破損している可能性が非常に高いです。床下での作業は専門知識と技術が必要であり、素人が手を出せる領域ではありません。

床材がブヨブヨになっている・カビ臭い

水漏れを発見した時点で、すでに床材が水分を含んでブヨブヨと柔らかくなっていたり、シンク下やキッチン全体がカビ臭かったりする場合、水漏れが起きてから相当な時間が経過していると考えられます。この場合、床材の張り替えや、場合によっては床下の構造材(根太)の修繕も必要になるため、被害状況の調査も含めて専門業者に依頼する必要があります。

原因がまったく特定できない

「応急処置はしたが、どこから漏れているのかサッパリわからない」。このような場合も、無理に探し続けたり、あちこち分解したりするのは危険です。見当違いの場所を触って、かえって被害を拡大させてしまう恐れもあります。早めにプロの診断を仰ぎましょう。

賃貸物件で水漏れが発生した場合の正しい対応

もし、お住まいが賃貸マンションやアパートの場合、対応の手順が少し異なります。特に費用負担に関わるため、慎重な行動が求められます。

まずは管理会社・大家さんに連絡

賃貸物件で水漏れを発見したら、応急処置(止水栓を閉める、水を拭く)を行った後、ご自身で修理業者を手配する前に、必ず管理会社か大家さんに連絡してください。

建物の設備(配管など)の不具合による水漏れの場合、修理の責任と費用負担は大家さん側(貸主)にあるのが一般的です。勝手に修理してしまうと、その費用を請求できない可能性があります。また、業者を指定している場合も多いため、指示を仰ぎましょう。

修理費用の負担はどうなる?(火災保険の確認)

水漏れの費用負担は、その原因によって変わります。

  • 貸主負担(大家さん): 配管の老朽化、備え付け設備(ビルトイン食洗機、蛇口など)の経年劣化など、建物の構造や設備そのものの不具合が原因の場合。
  • 借主負担(入居者): 排水口に大量の固形物を流して詰まらせた、自分で設置した食洗機の接続ミス、蛇口を閉め忘れたなど、入居者の過失や不注意が原因の場合。

もしご自身の過失で水漏れを起こし、床材を腐食させたり、階下の部屋に被害を与えてしまったりした場合、高額な賠償責任が発生します。

このような場合に備え、賃貸契約時に「火災保険(家財保険)」への加入が義務付けられていることがほとんどです。この保険には、多くの場合「個人賠償責任保険」や「借家人賠償責任保険」が付帯しています。これらが階下への賠償や、部屋の修繕費用(借主負担分)をカバーしてくれる可能性があります。まずは管理会社に連絡し、ご自身が加入している保険の内容も確認しておきましょう。

まとめ

キッチンの床からの水漏れは、発見すると非常に焦るトラブルですが、正しい手順で対処すれば被害を最小限に食い止められます。

まずは「止水栓を閉める」「水を拭き取る」という応急処置を徹底してください。その後、この記事のチェックリストを参考に、「シンク下」「食洗機周り」「床下」の順で原因を特定しましょう。

パッキンの交換やナットの増し締めなど、ご自身で対処できる軽微なトラブルもありますが、「床下からの漏水」や「原因不明の漏水」、「床材の腐食」が見られる場合は、迷わず専門の修理業者に依頼することが重要です。特に賃貸物件の場合は、自己判断せず、すぐに管理会社や大家さんへ連絡することを忘れないでください。早期発見・早期対応が、大切なご自宅と家計を守る鍵となります。


よくある質問(FAQ)

Q1:水漏れの修理費用はどれくらいかかりますか?

A1:費用は水漏れの原因と作業内容によって大きく異なります。簡単なパッキン交換であれば、作業費と出張費を含めて8,000円~15,000円程度が相場です。排水管のつまり除去(高圧洗浄など)は20,000円~、蛇口や排水ホースの交換は部品代+作業費で15,000円~30,000円程度が目安となります。床下の配管修理や床材の張り替えが伴う場合は、10万円以上になることもあります。あくまで目安ですので、必ず事前に複数の業者から見積もりを取りましょう。

Q2:水漏れを放置するとどうなりますか?

A2:非常に深刻な事態を招きます。まず、床材(フローリングやクッションフロア)が水分を吸って変色したり、ブヨブヨになったりして腐食が始まります。床下地まで腐食すると、床が抜け落ちる危険も出てきます。また、湿った木材はシロアリの格好の餌食となります。さらに、湿気の多い場所ではカビが繁殖し、アレルギーやぜん息などの健康被害を引き起こす可能性もあります。マンションの場合は、階下の天井や家財に損害を与え、高額な損害賠償を請求されるリスクが最も怖いです。

Q3:応急処置で防水テープを使っても良いですか?

A3:一時的な応急処置としては有効です。配管やホースの亀裂が原因である場合、水漏れ箇所を乾燥させた上で防水テープや配管補修用テープを強く巻き付けることで、一時的に水漏れを止めることは可能です。ただし、これはあくまで修理業者が来るまでの「時間稼ぎ」です。水圧がかかる給水管には効果が薄い場合もありますし、テープが剥がれれば再び水漏れします。応急処置をしたら、必ず根本的な修理(部品交換など)を行ってください。

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