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「床がふわふわする」は要注意!リフォーム現場での漏水サインと工務店の対応術

「床がなんとなくふわふわする…」そんな違和感を覚えたとき、それは住まいのトラブルが静かに進行しているサインかもしれません。特に漏水が原因となっている場合、見えないところで建物の構造や健康に深刻な影響を与える可能性もあります。この記事では、床のふわふわ感に潜む原因から、工務店による調査・対応方法までをわかりやすく解説していきます。

床がふわふわする原因とは

「床がふわふわする」という感覚は、多くの住宅で見られる経年劣化の一例ですが、その背景にはさまざまな原因が潜んでいます。見た目に大きな異常がなくても、床材の内部や床下構造に問題が生じているケースがあり、放置してしまうと大規模な修繕が必要になることもあります。以下に、代表的な原因を詳しく解説します。

1. 床材や合板の経年劣化

フローリングの下には「合板」や「捨て張り」と呼ばれる下地材が使われており、長年の使用や荷重により徐々に強度が低下していきます。特に、合板の接着力が弱くなると、歩くたびに“ふわっ”とした感触が現れやすくなります。これは表面のフローリングがしっかりしていても、その下で支えが効いていないことによるものです。

2. 根太・大引きなど構造材のたわみや腐食

床下の構造を支えている「根太」や「大引き」が、湿気や木材の乾燥・伸縮によってたわんだり、強度を失っているケースがあります。とくに築年数が20年以上経過している住宅では、構造材の劣化が進んでいることが多く、床全体の安定感が失われていることも珍しくありません。

3. 漏水や湿気による木材の腐朽

キッチン・洗面所・トイレ・浴室など、水を使う場所の近くでは、目に見えない水漏れが長期間続くことで、下地の木材が湿気を含み、やがて腐朽することがあります。木材がスポンジのように柔らかくなり、踏むと沈むような感覚になります。これは放置すると床が抜ける危険もあるため、早期の点検と補修が重要です。

4. シロアリ被害

シロアリは木材の内部を食い荒らすため、外見上は変化が見られなくても、中身がスカスカになっていることがあります。特に床下が湿気を帯びている環境では、シロアリが好んで繁殖しやすくなり、根太・大引きといった重要な構造部材が被害に遭うと、床の沈み込みやたわみが発生します。

5.断熱材の沈下やズレ

床下に断熱材を施工している場合、その断熱材が時間とともにずれたり落下したりすることで、床面に不均一な浮き感が出ることもあります。とくに発泡系やグラスウール系の断熱材は、施工が甘いと経年で重力に負けて落ちてしまうことがあり、局所的な床の不安定さの原因となります。

6.接着剤や釘の劣化・施工不良

フローリングの仕上げ材が、下地としっかり接着されていない場合も、床の浮きやふわつきが起こります。釘が抜けかけていたり、接着剤が劣化していたりすると、歩行時に「ペコペコ」とした音や感触を伴うことがあります。これは新築住宅でも施工不良によって起こる場合があります。

7.過剰な荷重による局所的な歪み

長期間、重たい家具や家電が特定の場所に置かれていた場合、その箇所の床だけが沈み込んだりたわんだりして、まわりとの段差が生まれることがあります。家具を動かした際にその部分だけふわふわしているように感じることも多く、物理的な変形が原因となっている例です。

8.遮音フローリングなどの構造的な柔らかさ

マンションなどでは「遮音フローリング」といった、わざと柔らかい構造を持たせた床材が使われていることがあります。これは防音性を高めるための構造ですが、人によっては「ふわふわしている」と感じやすく、トラブルと誤解されることもあります。

このように、床のふわふわ感にはさまざまな原因が絡んでおり、必ずしもひとつの要因だけとは限りません。見た目では分からなくても、内部では深刻な劣化が進んでいるケースもあります。気になった時点で専門業者に相談することで、早期発見・早期対応が可能になります。

漏水が疑われるサインをチェック

床のふわふわ感だけでなく、以下のような症状が同時に見られる場合、漏水の可能性が高まります。

サイン内容考えられる原因
床の沈み込み歩くと部分的に沈む感覚がある木材の腐食や接合部の緩み
床や壁の変色シミや色ムラが出ている内部からの水分浸出
カビや異臭湿ったようなニオイが部屋に広がる漏水による湿気の蓄積
水道代の急増使用量が変わらないのに料金が高騰見えない場所での漏れ
床下からの水音夜間など静かなときに聞こえる微細な配管漏れ

工務店が行う調査と対応の流れ

床のふわつきが発見された際、工務店が行う基本的な調査・対応の流れは以下の通りです。

  1. 聞き取りと初期点検(いつ・どこで・どのように感じたか)
  2. 床下点検口からの目視・触診による確認
  3. 必要に応じて床材の一部をはがして詳細調査
  4. 漏水箇所の特定と原因の明確化
  5. 修繕方法の選定(配管交換・木材補強・床材張替えなど)
  6. 施工とアフター確認

ケース別・修繕費用の目安

修繕にかかる費用は原因や規模によって異なりますが、参考となるおおよその目安は以下の通りです。

  • 配管の簡易補修:2〜5万円
  • 床材の部分張替え:3〜10万円
  • 床下構造(根太・大引など)の補修:10〜20万円
  • 全面張替え(構造含む):20〜50万円以上

保険が適用されるケースもあるため、工務店や保険会社に相談するとよいでしょう。

放置した場合のリスク

床のふわつきを放置すると、以下のような深刻なトラブルに発展する可能性があります。

  • 床が抜け落ちるなどの事故
  • カビやダニの繁殖による健康被害
  • シロアリの誘発
  • 構造体全体への影響による修繕費の増大

早期発見・早期対応のすすめ

床のふわふわに気づいたら、すぐに専門家へ相談しましょう。早い段階で対応すれば、修繕範囲も費用も最小限で済みます。また、定期的な床下点検や住宅診断を行うことで、予防的なメンテナンスにもつながります。

まとめ

「床がふわふわする」という症状は、家の老朽化や水まわりのトラブル、特に漏水の初期サインであることが多いです。放置せず、まずは信頼できる工務店に相談して、適切な調査と修繕を行いましょう。快適で安全な暮らしを守る第一歩になります。

FAQ

Q1. 床のふわふわは自然現象でも起きますか?
気温・湿度の変化で一時的に床材が膨張・収縮することはありますが、長期間続く場合は構造や漏水の問題が疑われます。

Q2. DIYで直せますか?
表面材の張り替え程度なら可能ですが、原因が構造材や配管であれば専門的な修繕が必要です。

Q3. 工務店に相談するタイミングは?
床の沈みやシミ、異臭などが出た時点で早めの相談をおすすめします。早期対応が結果的にコストを抑えることにつながります。

Q4. 保険は使えますか?
火災保険や住宅総合保険に水漏れ補償が付帯していれば、条件を満たすことで補償が受けられる場合があります。

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