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「これって欠陥住宅?」建築中に起こる水漏れの原因と対処の仕方

「建築中に水がポタポタ…これって欠陥?」と不安になる方へ。施工が終わる前に漏水が見つかれば、早めに対応して安心な住まいを手に入れるチャンスです。

本記事では、建築中のよくある水漏れ原因と、効果的な対処方法を現場目線で丁寧に解説します。

1. 配管接続不良による漏水

建築中に最も遭遇するのが、給排水管の接続不良です。現場では、以下のような問題が見つかります:

  • 配管の継ぎ手シールが緩い
  • 接続部の圧力テスト未実施
  • 施工順序が前後しネジやパッキンの掛け忘れ

接続不良は、配管工事が終わる前に水を流すテストを行い、漏れる箇所を確認することが重要です。漏れていたら即座に止水し、再シールや締め直しを依頼しましょう。

2. 排水勾配不良が引き起こす逆流・詰まり

排水勾配が施工ミスで不足していると、水が逆流しやすくなり、詰まりや溢れを引き起こします。特に建築中の排水管では、脱調整による水の滞留が原因での漏水も珍しくありません。

対応策としては、現場のホームインスペクターに勾配を確認してもらい、必要なら再施工が必要です。

3. 防水シート・シーリング施工不良

屋根や窓、バルコニーなど、外部に面する防水処理は施工ミスが漏水を生む原因になります。構造の継ぎ目や勾配のない箇所では、施工不良による雨浸入が重大な問題になることもあります。

施工後には、防水検査を丁寧に行い、防水層のつながりやシーリングの厚み・密着性を現場で確認しましょう。

4. 建材の水浸条件と一時的漏水の影響

建築中は、木材が一時的に濡れることがありますが、これは構造体自体に重大な影響とはなりません。ただし、長期湿度やカビ発生の兆しが見られた場合は速やかな乾燥処理が必要です。

5. 工事監督・検査体制が不十分な現場リスク

建築中に発生する水漏れの背景には、単なる施工ミスだけでなく「工事監督の管理不足」や「検査体制の甘さ」が関係しているケースが非常に多く見られます。実際、施工の質を左右するのは、現場でどれだけ厳格なチェックが行われているかにかかっていると言っても過言ではありません。

5-1. 現場監督の役割とは

現場監督は、工事の進捗を管理するだけでなく、各工程での品質を確認する責任者です。特に配管や防水といった「見えなくなる部分」の施工については、写真記録や検査を通じて確実に確認しておく必要があります。

しかし、複数現場を掛け持ちしている監督が多い昨今では、「つい見逃し」「チェックが形だけ」といった状況が起こりやすくなっています。

5-2. 社内検査が形骸化している現場は要注意

多くの住宅会社では、内部でのチェックリストや検査フローが用意されていますが、それが実際に機能していない現場も少なくありません。例えば:

  • 防水層の施工写真が撮られていない
  • 圧力テストの記録が未提出のまま次工程に進んでいる
  • 下請け任せで監督が現場に来ていない

こうした「なんとなく進めてしまった工事」は、完成後に重大な水漏れや施工不良を引き起こすリスクが高くなります。

5-3. 外部の第三者検査を導入するメリット

こうしたリスクを減らす方法のひとつが、外部の第三者機関による現場検査を導入することです。第三者検査では、工務店や施工会社とは利害関係のない専門家が、以下のような項目を厳しくチェックします:

  • 配管接続部の施工精度と写真記録
  • 防水施工の仕上がりとシーリングの厚み
  • サッシ周辺やバルコニーの防水層の連続性
  • 雨仕舞いや外壁の水切りの設置状況

「プロの目」で見てもらうことで、見えない不備の早期発見が可能になり、施主側の安心感も大きく高まります。

5-4. 施主ができるチェックと確認ポイント

たとえ専門知識がなくても、施主としてできるチェックポイントもいくつかあります。

  • 現場で施工写真を定期的にもらっているか
  • 「この工程で何をチェックしましたか?」と確認する習慣
  • 定期打合せ時に、図面との整合性を軽く目視する

こうしたやり取りを通じて、現場の緊張感が生まれ、手抜きや見逃しが減る効果も期待できます。

5-5. 検査を受けても完璧とは限らない

なお、第三者検査や社内検査を通過したとしても「100%安心」とは言い切れません。あくまで人間の目によるチェックである以上、最終的には複数の目と、記録を残す体制が重要です。

検査の透明性と記録の蓄積、そして「疑問があれば聞く・記録に残す」姿勢が、建築中のリスクを最小限に抑えるカギとなります。

6. 法的責任と契約不履行への対応

建築中に漏水が発生した場合、施工業者は契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)を背負う可能性があります。漏水が見つかったら、契約書や保証内容に基づいて書面で対応を要求しましょう。

対応が不誠実な場合は、法的手段を検討するケースもありますので、漏水箇所の写真・動画、報告履歴を確保しておくことが役立ちます。

まとめ

建築中の水漏れは、完全な欠陥を疑う前に「原因特定→即応→再施工」の流れが重要です。配管接続や勾配、防水施工、検査体制など6つのポイントを押さえれば、漏水トラブルを防ぎつつ安心な住まいを迎えられます。

FAQ

Q. 施工監督が漏水を指摘してくれないときは?
A. 第三者検査を依頼するか、現地写真・動画を添えて再点検を依頼しましょう。

Q. 一時的な雨漏りで大丈夫?
A. 短時間なら大きな問題は少ないですが、構造部の乾燥処理やカビ防止措置が必要です。

Q. 法的に対処すべきかどうかの基準は?
A. 雨漏りで日常生活に支障がある、配管からの水漏れが数回以上続く場合は契約不適合責任による請求対象になります。

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